相談:紹介状なしでがんセンターなどに直接MSI検査のみをお願いすることは可能?

検査 治療 免疫チェックポイント LINE会員限定記事

家族が大腸がんの治療中で、キイトルーダの治療が可能かどうかを調べるため、MSI検査を受けましたが、結果は陰性でした。検査の結果に納得がいかないため、再検査を検討しています。現在の病院の紹介状なし、セカンドオピニオンをせず、最寄りのがんセンターなどに直接MSI検査のみをお願いすることは現実的に可能でしょうか?

現在の病院での抗がん剤治療と並行して、他の病院でMSI検査を受けられるのであれば時間の無駄もなく、信用性の高い結果が得られるかと思います。MSI-Highの結果が出た場合は、現在の病院か検査した病院のいずれかで、キイトルーダの治療を受ける選択をしたいと思います。

現在の病院には1年以上お世話になっており、治療当初より免疫チェックポイント阻害薬による治療を希望してきましたが「標準治療が先」と説明を受けてきました。今となっては標準治療も尽きた感があり、それでもなお、別の抗がん剤を推奨されています。

(家族、女性)

回答:MSI検査による偽陽性の発生率は、10万人に1人と極めてまれ

医薬品医療機器総合機構のウェブサイトに掲載されている大腸がんに関する情報のポイントは次の通りです。

再検査に関して
・国内のMSI検査による偽陽性の発生率は、10万人に1人と極めてまれです
・偽陽性とは、MSI陽性ではないのに、MSI陽性と判定されることです
・偽陽性と考えられる場合は再検査が行われます
・一方、偽陰性が疑われる場合に関しての記載はありません
・偽陰性とは、MSI陰性ではないのに、MSI陰性と判定されることです
・再検査の対象となるのは、「判定に注意を要するMSIパターン」と合わせてMSIパターンが2つ以上になる場合です

「局所進行もしくは転移が認められた標準治療が困難な固形がん」「手術後の大腸がんの薬物治療による治療選択」「リンチ症候群の診断補助」の3つの目的に対し、MSI検査は原則患者さん1人につき1回だけ保険適用となりますが、3つの目的のうち別の目的に限り、もう1回限り保険適用となります。...


MSI検査は、厳しい条件をクリアして保険適用となった、とても精度の高い検査で、検査のたびに結果が異なるようなものではありません。また、検査は通常、医療機関が委託する衛生検査所で厳密に行われるケースがほとんどであるため、病院の都合で結果が異なるという心配はありません。

免疫チェックポイント阻害薬と標準治療に関して
免疫チェックポイント阻害薬は、誰にでも有効性や安全性が確認されている治療ではありません。患者さんの病態や遺伝子異常などにより、さまざまな治療法がありますが、これらのうち臨床試験により、有効性と安全性が確認されたものが、標準治療となります。大腸がんに対する薬物治療は、最大五次治療まで標準治療があります。MSI-High陽性大腸がんでも、キイトルーダとオプジーボは二次治療以降として標準治療となっていますが、MSI-High陰性の場合は、標準治療となっていません。

MSI検査は、がん細胞と正常な細胞を比較して、MSI配列の反復回数を測定するため検体が必要です。検査を受けたい施設に検体を提出するには、現在治療を受けられている病院への依頼が必要です。そのため、現在治療を受けられている病院に相談する必要があります。セカンドオピニオンは、現在の治療を継続しながらでも受けられますので、治療方針に納得できないようでしたら、やはりセカンドオピニオンを受けられてみてはいかがでしょうか。

あるいは、納得がいかない気持ちがおありとのことですので、まずは一度、最寄りのがんセンターの相談支援センターにご相談してみるという選択肢もあるかと思います。

参考情報
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 MSI検査キット(FALCO)添付文書
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/ivdDetail/201680_23000EZX00047000_A_01_06#160

大腸癌治療ガイドライン医師用2019年版 薬物療法
http://www.jsccr.jp/guideline/2019/particular.html#no5

医師に相談したい場合、現役医師が回答する「AskDoctors(アスクドクターズ )」の利用もおすすめです。

アスクドクター