相談:肺がんが再発し髄膜・脳に複数の転移、タグリッソ以外に良い治療法はあるか?

放射線治療 治療 化学療法 肺がん 治療選択

2年前に肺腺がんと確定診断を受け、2か月後に右肺の中・下葉を切除とリンパ節郭清手術を受けました。化学療法を4クール受け、その1年後に肺への再発が見つかりました。さらなる検査で髄膜や脳に複数の転移も確認されたため、タグリッソによる治療を受けることになりました。

タグリッソは、私も一番適している分子標的薬だと感じています。ただ、脳への転移に対しては、定位放射線治療や、他の治療をした方が良いのではないのかと考えあぐねております。主治医は、髄膜や脳内の転移数が多いので放射線治療ができるかは不明としながらも、もし定位放射線治療を受けたいのであれば、その治療ができる病院への紹介状はいつでも書きますと仰ってくれました。

頭がかち割れそうなほど痛いので、まずはタグリッソの治療を受ける選択をしましたが、今後どうしたら良いか、ご教示ください。

(本人、女性)

回答:症状のある脳転移に対しては、放射線治療を推奨

日本肺癌学会の「肺癌診療ガイドライン」によると、肺がんの治療のポイントは次の通りです。

脳転移に対する治療選択
・脳以外の病巣がコントロールされていて、転移数が1個の場合は、「摘出手術」もしくは「定位照射」とされています
・脳以外の病巣がコントロールされていない、もしくは転移数が1個以上の場合で症状がある場合は、「摘出手術」「全脳照射」「定位照射」のいずれかが選択されます
・脳以外の病巣がコントロールされていない、もしくは転移数が1個以上の場合で症状がない場合は、「全脳照射」「定位照射」「薬物用法」のいずれかが選択されます

脳転移に対する放射線治療
・4個以下で腫瘍径3cm程度までであれば「定位照射」、それ以外の多発脳転移については「全脳照射」を行うのが基本的な考え方とされています
・症状がある脳転移に対して、「放射線治療は推奨」されています
・多発性脳転移に対しては、「全脳照射が推奨」されています
・4個以下で腫瘍径が3cm程度までなら「定位手術的照射が推奨」されています
・5~10個の脳転移に対しては、「定位手術的照射も選択肢の1つ」として考慮されます
・定位手術的照射とは、定位放射線治療を1回行う治療です

肺癌診療ガイドラインでは、症状のある脳転移に対しては、放射線治療は推奨とされています。...

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