治療

バーキットリンパ腫の治療

 バーキットリンパ腫は進行が速く悪性度も高いリンパ腫ですが、適切な治療を行うことで治癒も期待できます。そのため、初回治療は治癒を目指して行われます。初回治療の方法は複数ありますが、それぞれの優劣はわかっていません。強度を高めた多剤併用化学療法により、70~90%の長期生存が得られると造血器腫瘍診療ガイドライン2023年版に記載されています。治療法は、DA-EPOCH-R療法、CODOX-M/IVAC±R療法の一部の薬剤を減量した改良型CODOX-M/IVAC+R療法、R-hyper-CVAD/MA療法のいずれかが推奨されています。

 中枢神経系に浸潤がある患者さんに対しては、大量メトトレキサートを含んだ治療が推奨されています。中枢神経系に浸潤がない患者さんに対してDA-EPOCH-R療法を行う場合は、予防としてメトトレキサート髄注が推奨されています。

 初回治療で完全奏効が得られた場合は経過観察が行われますが、2年以降の再発は極めてまれであるため、少なくともそれ以降の定期画像検査は推奨されていません。完全奏効が得られなかった場合は、救援化学療法や造血幹細胞移植が行われます。

初回治療として検討される治療法

治療法薬剤名
DA-EPOCH-R療法エトポシド、プレドニゾロン、ビンクリスチン、シクロホスファミド、ドキソルビシン、リツキシマブ
R-hyper-CVAD/MA療法リツキシマブ、シクロホスファミド、ビンクリスチン、ドキソルビシン、デキサメタゾン/高用量メトトレキサート、高用量シタラビン
改良型CODOX-M/IVAC+R療法シクロホスファミド、ビンクリスチン、ドキソルビシン、大量メトトレキサート/イホスファミド、エトポシド、大量シタラビン、リツキシマブ
バーキットリンパ腫の治療選択
バーキットリンパ腫の治療選択
出典:一般社団法人日本血液学会編. 造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版.金原出版 第II章 リンパ腫、II リンパ腫、悪性リンパ腫 6 バーキットリンパ腫.アルゴリズムより作成

参考文献:一般社団法人日本血液学会編. 造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版.金原出版

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