基礎知識

バーキットリンパ腫とは

 バーキットリンパ腫は、悪性リンパ腫のうち非ホジキンリンパ腫に分類される、悪性度の高いB細胞リンパ腫で、骨髄や中枢神経など節外への浸潤が生じやすいとう特徴があります。アフリカなどのマラリア流行地域でEBウイルスが関与して発症する「小児バーキットリンパ腫」、その他の地域で散発的に発症する「散発型バーキットリンパ腫」、HIV感染や臓器移植、造血幹細胞移植などによる免疫抑制下で発症する「免疫不全関連バーキットリンパ腫」の3つに分類されます。日本では「散発型バーキットリンパ腫」と「免疫不全関連バーキットリンパ腫」が見られ、小児やAYA世代の代表的な疾患の1つとなっていますが、成人でも低頻度で発症することがあります。

バーキットリンパ腫の症状

 バーキットリンパ腫は、回盲部(かいもうぶ:盲腸と小腸の境界部)などの腹部のしこりとして発症することが多く、腹腔内のリンパ節、卵巣、腎臓、乳房へ浸潤していることもあります。また、骨髄や中枢神経に浸潤した状態で診断されることもあり、70%の患者さんがステージ3以上の進行期で発見されます。

 腹部にしこりができると、おなかの張りを感じることがあります。中枢神経に浸潤している場合は、しびれやけいれん、意識障害が起こることもあります。また、悪性リンパ腫に特徴的な全身症状として、発熱、寝汗、体重減少(B症状)が挙げられます。

参考文献:一般社団法人日本血液学会編. 造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版.金原出版

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