基礎知識

慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫の罹患率、症状、原因など基礎知識をご紹介します。

慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫とは

 慢性リンパ性白血病は、白血球の一種であるリンパ球のうち、小型の成熟B細胞が、がん化して無制限に増殖する病気です。血液中のがん化したリンパ球の数が5,000/μL以上である場合、あるいは5,000/μL未満でも白血病細胞が骨髄に浸潤し、正常な血液細胞(赤血球・白血球・血小板)の減少が認められる場合に、この病気であると診断されます。がん化した小型B細胞は、表面に「CD5」「CD23」という分子が発現しているのが特徴で、血液中、骨髄、脾臓(ひぞう)、肝臓、リンパ節などで増殖します。

 小リンパ球性リンパ腫は、リンパ球の数が5,000/μL未満で、正常な血液細胞(赤血球・白血球・血小板)の減少がなく、主にリンパ節に病変がみられ、リンパ節の中で起こる腫瘍細胞の増殖によりリンパ節に腫脹(しゅちょう)がみられた場合に診断される病名です。小リンパ球性リンパ腫は、一般的に悪性リンパ腫の1つとして分類されるため、病期分類は悪性リンパ腫に準じで行われます。しかし、末梢血や骨髄への浸潤がない慢性リンパ性白血病と同じ細胞の腫瘍と考えられるため、治療は慢性リンパ性白血病と同じように行われます。

慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫の罹患率

 国立がん研究センターのがん登録によると2015年に新たに白血病と診断された人は、男性が7,144人で女性が5,227人、合計1万2,371人で、人口10万人あたり約400人でした。このうち、慢性リンパ性白血病は、年間10万人あたり0.3人で、日本人の発生頻度は多くありません。50歳以降で多く、30歳未満ではほとんどみられず、女性より1.5倍~2倍程度男性が多い傾向がありました。

慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫の症状

 慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫は、ゆっくりと進行するため初期には症状がほとんどありません。自覚症状は、倦怠感、食欲不振、寝汗を伴う微熱、体重減少、脾臓(ひぞう)や肝臓の腫大(しゅだい)などです。また、発熱や肺炎などの感染症があらわれることもあります。リンパ節の腫れや、首やわきの下、足の付け根などのリンパ節が多い部位に痛みのないしこりができ、縮小せずにゆっくりと持続的に増大していきます。骨髄中に白血病細胞が増えてくると、正常な血液細胞(赤血球、血小板)が減少することで、貧血や出血が起こりやすくなります。また、慢性リンパ性白血病では、赤血球に対する自己抗体ができることがあり、こうした状態になると赤血球が破壊され、極めて重度な貧血症状が起こります。

慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫の原因

 慢性リンパ性白血病の原因は、まだはっきりとわかっていません。しかし、日本では10万人あたり0.3人とまれですが、北米や欧州では白血病のうち最も多く見られるのがこの病気であるため、何らかの遺伝的な要因が関連している可能性が考えられています。

参考文献:一般社団法人日本血液学会編. ”造血器腫瘍診療ガイドライン 2018年版”.金原出版,2018. 第I章 白血病、I 白血病、5慢性リンパ性白血病

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